「感情の起伏の激しい子」について3回目となりました。前回までは、子どもとのかかわりや会話についてお話して来ました。今回は親の側の状態が子どもの感情の起伏を作る、ということについてお話しましょう。

 実は子どもの性質の中に、「親が気に入るように一生懸命親に合わせよう」とする動きが潜在的にあります。

 これは子どもの本能的な部分で、誰かの世話にならないと生きていけないという現実的な事実を、動物的な感覚で感じているからです。そしてその為に子どもは親の表情や言葉、しぐさ、態度等をしっかりと観察し、親の精神状態を計ります。そして今日は機嫌が良さそうだ、悪そうだということを判断し、自分の示す態度を決めるのです。

 ところが親の感情が不安定であったり、コロコロ変わったり、いつもイライラしていたりすると、子どもの側で親の感覚に合わすことが出来ず、子どもの精神状態や感覚に焦りを感じ、大きなストレスを抱え込むことになります。そうなると本来的に合わせようとする感覚が壊れてしまい、自己中心的なわがままな状態を表に出しだします。こうなると何を言われても受け付けなくなり結局はパニック状態になってしまうのです。

 これは親の落ち着かない感覚が作り出す子どもの状態なのです。忙しい・忙しいと親がバタバタしていると、子どもが親の安定感にひたることが出来ず、子ども自身も落ち着かない動きをはじめます。

 落ち着いて心の安定した子どもにしたいと思ったら、まず親が落ち着いた生活をしなければそうはなりません。我が子の動きを見れば親としてどのように日々生活しているかがわかります。
 親の精神の安定を見る鏡は子どもの状態であることを知って下さい。
 子どもは親のコピーですよ。
 「 感情の起伏の激しい子 3 」 
          (園だよりから)

No.40