最近我が園でも夜遅く寝る子が多くなりました。11時はあたりまえ、12時・1時頃まで起きている子もいるようです。
遅く寝るということは、子どもの育ちにとってはあまり良い事とは言えません。なぜならば、人間の身体には体内時計というものがありまして、その時計に基づいて身体の中のホルモン分泌を変えているのです。それは昼間は身体が元気に動き、脳の活動も活発になるようなホルモンの分泌が行われ、夜には昼間の活動を休め再生する為のホルモンの分泌が行われます。この切り替えを体内時計が管理します。普通の切り替えは朝6時頃と夜8時頃に切り替えが行われます。よって朝6時には起き、夜8時を過ぎたら寝るというのがベストです。ところがこの時間帯からはずれた時間帯(例えば夜遅くまで起き、朝遅くまで寝ている生活)で生活をしていますとだんだん体内時計が狂ってきます。これが狂うとホルモンの分泌がおかしくなってしまい、これが原因で身体の不調や脳の活動の弱体化を引き起こし、この状態が長く続くとで自律神経失調症を引き起こしたりします。
よく海外旅行等で時差に身体がついていかず体調不良を訴える人が多くおられますが、これは上記の状態になっていると思われます。
健康な身体というものはいろんな分野が支えていますが、ホルモン分泌はその中でも重要な存在なのです。特に発達途上の子どもたちにとってこのホルモン分泌の変化は、身体だけでなく脳の活動や感情コントロール能力等に大きく影響を及ぼしてしまいますし、発達そのものをゆがめかねません。
最近子どもたちが感情的な部分でのコントロールが出来ないで、暴れたり物を壊したり人を傷つけたりするということをよく聞きますが、体内時計の狂いからくる情緒不安定と考えられます。
「早く寝せて早く起こす」これだけで子どもの育ちの大切な部分が守られるとしたらやらない手はありません。
後になって後悔しても時間は戻ってはくれません。               
子どもの育ちと生活リズム 1

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