やっと秋風が吹いてきたなーと思っていたら突然冬の風が吹き出しました。
多少あわてております。  おー寒。

 先日公園で、子どもが砂場で遊んでいる姿を少し離れたベンチに座って、やさしそうな眼差しで見つめているお母さんを見かけました。
ときおり「それは何?」とか、「わー出来たね・・・」等子どもに声をかけます。
まさに絵に描いたような幸せな親子のいとなみです。
やさしい眼差しの中でしっかり遊んでいる子ども。いかがですか、誰もが理想と感じる親子の風景ですね。
この光景を見て幸せな子どもだな・・・と感じる人は多いでしょう。
でも本当にこの光景は幸せな光景なのでしょうか?
私が考えるに、母親は幸せなんだろうと感じます。でも子どもにとっては・・・・・。

子どもには潜在的に親に対する共存感と依存感というものがあります。
これが満たされないと子どもは不安定になり、乱暴になったり、言う事を聞かなくなったり、etc、と親を困らせる行動に出ます。
これは依存感や共存感が子どもを落ち着かせ、情緒的に安定し、親の話が聞ける安定を与えるからです。
ではどのようにしたら子どもの共存感や依存感は満たされるのでしょうか?
単純に親と一緒の生活をしているだけで満たされるのでしょうか?
実は一緒に居るということだけでは少しは満たされますが、子どもの情緒を安定させるほどの満足感は与えられないのです。
満足感を与えるためには、家族(親や兄弟)の積極的なかかわり(一緒の活動や特に会話)が必要なのです。
最近の子どものいる家庭をのぞいて見ますと、子どもは好きなことを一人でもくもくと、親が子どもに言う言葉は指示か命令ばかり、仮に子どもの側に親が居てもかかわらずに親の気持は他のことへ・・・、といった様子の家庭が多いようです。
これで子どもが安定するはずがありません。
子どもが自立していく過程で必ず必要なことは、いつも自分を見てくれているという安心感や、何かあった時には必ず問題解決へ向けて役に立つコメントをしてくれるという共存感なのです。
その為には子どもを子供の世界に一人にしないということです。
子どもの活動に参加し、そこでたくさん子どもからのお話を聞き、それに対する親として大人としての意見を交換し、一つの目的に向かって一緒に進むという姿勢を持ち見せることが必要です。

先に言いました光景ですが、私は離れたところから子どもの遊びを見るのではなく、そばで子どもと一緒に砂遊びをして欲しいと思います。そのことで子どもは今まで以上に身近に親を感じることが出来、そのかかわりの中でたくさんのお話がお母さんと出来、そのことが子どもの依存感・共存感を満たしていくのです。
 
自由だ放任だ、子どもの意志を大切に・・・と言われますが、親とのかかわりのない自由は子どもを孤立させるだけだということを知って下さい。
子どもと一緒

No.17 (h14.11)