9月になり園庭の木で鳴く蝉も、あぶらぜみや熊ぜみからつくつくぼうしに変わりました。
日中の温度はそう変わらないのですが、自然のいとなみは確実に秋に向かって変化しているようです。

 さて先月は這い這いのメカニズムとその重要性についてお話をしました。
今月はその続きです。
 先月もお話したように這い這いは特に背骨の形を作ります。この背骨の形(しなり)が非常に大切で、さの後の立ち歩く基本である姿勢をつくります。
この背骨の形(しなり)が育たないままで育ってしまうと、きちんとした直立姿勢がとれなくなり、それが原因で肩こり、腰痛、偏頭痛、集中力の欠如、瞬発性・敏捷性等の運動機能障害、しいては内臓障害まで引き起こします。
また、姿勢が悪いということで足の動きや形成もおかしくなり、極度のO脚やX脚や運動しずらい疲労しやすい状態をも引き起こします。そしてこれらの状態になっている子が、ちょっと身体を動かすだけで「疲れた」を連発する子の原因と思われます。
これらを起さないためには乳児期の這い這いが量的にしっかりと必要なのですが、這い這いが足りずそうなっちゃった子はどうすれば良いのでしょう。
この背骨の力(しなり)の矯正の一番の方法は這い這いです。
でも這い這いの終わっている子に今更這い這いをしろと言っても無理ですので、年齢の低い子は這い這いを使う遊びやリズム遊びをさせることが効果的です。
小学生になってしまうとそういう遊びもしてくれませんので、直立における姿勢矯正を必要とします。
とにかく背筋を伸ばして胸を張る直立姿勢をとらせる。さらに後ろに反る体操をさせる。階段を上がり坂道を下る。山登りをさせる。正座をし背筋を伸ばす等の活動をすれば年齢が高くても(大人でも)矯正になります。
現在の生活を見回して下さい。一日の内どのくらい背筋を伸ばしている時間がありますか?ほとんどないのではないでしょうか。
立っていれば背筋が伸びていると感じるのは間違いです。意識して背筋を伸ばす機会を増やさないと正しいそして頑丈な姿勢は作れません。
たかが姿勢ですが、されど姿勢でもあるのです。
人間の活動の基本は背骨です。胸を張って立ち、胸を張って歩く事、そして椅子に浅く腰掛けるのではなく深く腰掛け背もたれにあわせて背筋を伸ばすことが生活の一部になることが大切です。
前かがみの姿勢、これが一番の問題であることを知って下さい。

今から這い這いが始まる子をお持ちの方、是非這い這いをたくさんさせて下さい。家が狭いと量的に満たされないこともありますので、広い芝生のあるところでしっかり這い這いをさせて上げてください。
大きくなった子をお持ちの方は対策を是非実践して見てください。
きちんとした姿勢が出来れば病気や怪我の確立がぐっと減りますよ。
這い這いを考える 2

No.16 (h14.9)