7月です。
2002年も半分終わってしまいました。気持が少しずつ焦ってきています。
 
 先日新生児のむちうち症が多いと新聞に出ていました。そうなる原因として赤ちゃんの首が座らないうちに脇をかかえて立たせて、高い高いをしたり、大きく揺らすことでまだ座っていない首に大きなダメージを与え、結果的にむちうち症にしてしまうそうです。そしてこのことの一番大きな原因は、親が首の座りというものを理解できていないということです。

 この件があっていろいろと一般的な育児書を読んでみました。私も正直驚いたのですが、総論的に首の座りは簡単にしか説明されていず、ほとんどが「3ヶ月頃になると首が座るので・・・」という書き出しになっています。何だか自然現象のように何の説明もない育児書もありました。
 この首の座りってそんなに簡単に考えていいものなのでしょうか。
 私の世界において首の座りは人間が2本の足で立ち上がるための一番大切な最初の基礎的発達だと思っていますし、反面親が一番確認のうちづらい発達だと思っています。
人間の部材の中で一番重たいのが頭です。そして人間は2本の足で立つ動物で、その重たい頭を支えるのに頚椎や背骨、首の筋肉や筋を使います。その基礎となるのが首の座りで、両肩の筋肉、首の関節を力強く作ることが首の座りを意味します。生まれたときにはこれらの関節の動きも鈍く、筋肉も出来上がっていません。ですから肩の筋肉と首の関節、筋で重たい頭を支えられないので、寝かせておくか起した場合はだれかが首を支えてやらなくてはいけないのです。よってこの時期に支えなしで起してしまうと頭が支えられず頚椎に大きなダメージを与えることになります。これが先に書いたむちうち症の原因と結果です。
で、首の座りの確認にはいくつかあります。
腹ばいにして首が上げてられる。両腕を持って引き起こすと首を固定した形で起き上がる。大人が脇をかかえて立たせた時に首が前後に波打たない。等が確認の目安です。そしてこれらが可能になるのが普通の子育てにおいて3ヶ月前後といわれています。普通の子育てと言った理由は、ほっといても首は座るのですがその座りが弱いことがあるからです。
普通の子育てでなかった場合は首の座りの弱い子(発達的熟成に欠けている状態)が発生します。首の座りの弱い子とは、ある程度座ってはいるがその座りを支える機能の充実が出来てない子のことを言います。上記の件は首の座りの弱い子も多く含まれているように感じます。
ではどのような子育てをすれば首の座りがしっかりするのでしょうか。
それはまず、新生児の寝ている横で呼びかけることにより、首を声のする方へ動かすという行為をさせることです。そしてそれはいつも同じ方向でなく反対側からも必要です。寝ていて顔の方向を変えることは、首の筋肉や頚椎の育ちに非常に大きな役割を持ちます。次に子どもの手を上に伸ばしたところにおもちゃをぶら下げて、手を伸ばしてそれを触るという遊びで両肩の筋肉を育てます。こういったことをこの時期させることでしっかりとした首の座りを作れるのです。
ただ寝ていても子どもは育ちますが、その育ちそのものが弱さを発生させていることも知って下さい。
首の座りの弱さはいろんなダメージを受けやすく、そのことが将来いろんな問題を発生させる事も考えておかなくてはなりません。
首がすわるとは・・・

No.14 (h14.7)