もう6月になります。今年は早くから暖かくなったので入梅も早いかと思っていましたが、その予想をくつがえし毎日晴天が続いております。
梅雨の時期は子どもたちも外に出て遊ぶことが出来ずイライラするのか、けんかや物の破損が多いじきなのです。先生もいろいろ保育内容に工夫をこらして、少しでも外で身体を動かせないストレスを緩和かるようにと頑張るのですが・・・・・。
青空の下で外で遊ぶことには勝てないようです。

外で遊びたいというのは子どもの天性の欲求ですが、最近外に出て遊ばない・遊べない子が増えていると聞きます。
このことが単に時代的な子どもの趣向の変化としてだけですむ問題なら、別に大した問題ではありませんが、そのことで子どもの育ちが変わってしまうとなれば、手放しで静観というわけにはいきません。
外遊びというものは、子どもの特に身体的発達(内臓の発達を含む)にとっては欠く事の出来ない遊びで、人間が二本の足で立つ行為をはじめバランス感覚や姿勢、内臓の発達を作り出します。

昔小学校2年生で小さい時から外で遊ばないという子を診ることがあったのですが、いつも家でゴロゴロしたり座っていることが多いせいか、背骨が猫背のように曲がり、両肩の骨が内側に向いていました。直立させると長時間もたなくて、平均台のようにバランスをとることが必要な行為はほとんど出来ません。おまけに内臓の働きも悪く、慢性的な消化不良・便秘・肥満に悩んでいました。さらに内面的な部分では集中時間が短く、気持も散漫で、常に身体のどこかが動いたり姿勢を変えたりし、落ち着かない様子でした。
これは完全に外遊び(全身運動)の不足が原因です。
それでその子の保護者にその子に毎日朝夕、ラジオ体操をしていただき、出来るだけ立って何かをするようにもしてもらい、1時間に1回程度手を上に上げ身体をそらすようにして頂きました。
6ヶ月過ぎたあたりから平均台が出来るようになり、じっとしていることが少しずつ出来るようになり、1年後には姿勢がよくなり、身体も自由にすばやく動くようになり、内臓の動きもよくなりました。さらに外に出ることが多くなった関係か風邪などもひきにくくなりました。

この事例は特殊なのかもしれませんが、外で子どもが遊ばないと大なり小なり起す症状でもあります。
子どもは外で遊びたがるものですし、遊ぶべき者なのです。
テレビゲームをしてる子を、何の心配も起さず眺められる感覚をまず親からなくすことが、子どもをすばらしく育てる第一歩だと考えます。
子どもは風の子

No.13 (h14.5)