「 育つためのの土台 4 「聞く」 」

 さて、先月まで口の動きの大切さについてお話ししてきました。 今月は耳です。
 人間の状況判断能力である5感 いわゆる味覚、臭覚、触覚、視覚、聴覚ですが、人間が生存していくのに重要な感覚機能であることはご存じだと思いますが、特に視覚と聴覚は非常に重要な感覚器官であり、子どもたちの発達や、大人の日常生活に大きな影響力を持っているのです。
 まずは聴覚からお話ししましょう。
 一般的な運動機能というのは腰にある脊髄を中継して刺激が脳に届くのですが、聞く音や見える景色()から来る刺激は直接脳に届くのです。またこれらの刺激は普通の手足の動きと言った運動刺激より早く強烈に脳に届きます。このことは脳により多くの刺激が届くということで脳に大きな負担をかけます。特に乳幼児期は大人より聞こえる音の幅が広く、かつ大人のように脳が音量のセーブ、いわゆる聞こえる音量の調整能力が発達的にまだ弱いので、大人が感じている以上に大きな音として脳に届いてしまいます。この脳への刺激が負担となって他の発達にも大きな影響を及ぼします。
 最近子どもの難聴が増えていると聞きます。その原因はいろいろあるようですが、特に問題として挙がっているのが乳幼児期の車の中での大音量の音楽とイヤホンでの音楽視聴と言われています。これらは共に大音量が脳へ大きな刺激を与えることが原因で、結果脳自体が脳の防衛のために聴覚機能を縮小し、聞こえる音量を小さくしてしまうのです。このことで普通の音や会話が聞こえづらくなってしまい、難聴という診断をもらうことになってしまうのです。そしてもっと重要なのは一度なった難聴はほとんど元にはもどらないということです。
 また耳の奥には三半規官という体の傾きやふらつきをコントロールする役割をつかさどる器官がありますが、この器官も前述の行為で能力を弱めてしまう恐れもあるのです。そうなると偏頭痛やめまい、姿勢制御の弱さを引き起こします。また三半規管は自律神経とも密接に関係を持っている為に、慢性的な疲労感や精神的な落ち込み、体調不良等を引き起こす原因にもなるのです。
 よって子どもの生活環境で大きな音はなるべく防がなくてはなりません。大人が大丈夫だから子どもも大丈夫ということは決してないのです。人間の脳は聞こえに関して非常に繊細なコントロールをしており、言葉を聞くために周りの音の聞こえを小さくしたりしています。その能力を失うと全ての音を脳が選別をしないので、雑音だらけの音になってしまいます。音が聞こえるということを当然と軽んじるのではなく、人間にとって非常に重要な能力であり、壊れやすい能力であることを知って下さい。
 子どもの聞こえを守るのは親の責任ですよ。

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このコラムは、我が園の「園だより」に園長が書き続けている子育て講座の一部です。。

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