「 育つためのの土台 8 「親の喜び」 」

 

我が子の育ちが見えないと感じてらっしゃる保護者の皆様、昨年の4月を思い出して下さい。そして現在の状態を比べてみて下さい。いつも間近で見ていると変化に気付かないことも多いのですが、一年前を振り返ると、出来ることがたくさん増え、しっかり育った子どもの姿を感じられます。この変化をあたりまえと考えないで、育っていく我が子の姿を親としての喜びと考えて欲しいと思っています。子どもの育ちは親の最大の喜びなのです。この喜びが子どもへのかかわりにつながり、子どもの育つ力を強くするのです。
 子どもの育つ力は2つあり、一つは動物的に生来持っている育ちの力です。二つ目は親がかかわることで発生する2次的な育ちの力です。そしてこの二つの育つ力が影響しあいながら年齢相応の育ち(発達)を子どもは獲得できるのです。ところがこの二つの力をバランス良く獲得できなかった子は何らかの育ちの遅れや障害を発生させます。
 事例でお話ししますと、乳児の首の座りは生後3か月程度です。ところがある乳児は親が寝せてミルクを与えるだけの生活をさせたことで首の座りに一年を要しました。このことで次に来る発達も弱く遅くなり、三歳になった時点で歩けずしゃべれず二年分の遅れを発生させました。首の座りって自然に座るものですが、座らせるための外的な刺激が必要なのです。それは赤ちゃんが生まれ、かわいいので右や左から親や祖父母が赤ちゃんをのぞき込んで声を掛けたりすることで、子どもは声がする方向や顔を見るために首を動かします。そのことで子どもの首や肩の筋肉が育ち標準通りの時期に首が座るのです。また、言葉がしゃべれるようになると親にいろいろつたない言葉でしゃべり掛けてきます。そこで親が子どものしゃべり掛けを聞いたり、「それはこう言うの、これは何て言うものよ」等の返事をすることで、物の名前を知ったり、言葉の使い方を覚えて学習していくのです。 このように子どもの育ちをしっかりさせるところを実は親が担っているのです。
 よく親の役割は何ですかと聞くと、子どもを守ることだと言われます。その通りだと思いますが、この言葉の中身は子どもに食事を与え、適切な環境を与え、子どもの生命の安全を守ることとおっしゃる方がほとんどで、子どもの育ちを守り、それなりの影響を与えることも親の役割とおっしゃってくれる親は少ないのです。
 最初に書きましたが、子どもの育ち(変化)を常に喜べる親になって欲しいのです。子どもの育ちが゜うれしいという意識こそが子どもに育ちの力を与える原動力となるのです。子どもの育ちはほっといては確実に弱体化します。子どもの育ちの悪さを作っているのは、もしかしたら親なのかもしれないのです。子どもの育ちを見続ける、感じ続けることが親の大きな役割なのです。そしてそのことが子どもを幸せにさせることなのです。
子どもの育ちは自然になるものではなく、親等子どもに直接かかわる大人が作り出していくものであることを知ってください。

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このコラムは、我が園の「園だより」に園長が書き続けている子育て講座の一部です。。

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