「 虐待とは何か 2 」


さて先月より虐待についてお話しております。今月は育児放棄についてお話しましょう。

 育児放棄というと一般的にはどこやらの赤ちゃんポストのように完全に育児をしないで・・・というイメージの方が多いようです。しかし虐待防止法においてはそれだけでなく、もっと広い幅での育児放棄を対象にしています。この広い幅とは、例えば適時適切に食事を与えない(食事内容も含む)とか、衣服を着替えさせないとか、風呂に入れない、病気等で熱が出ても何の対処もせず放置する、子どもが育つ為に必要な親子のかかわりを持たない等々も含まれるのです。この幅で考えると我園においてもこれはどうかな・・・というケースに時として当たることがあります。それは園から帰った時のままの服装やおむつでの翌日の登園、乳児でありながら普通食やインスタント食を与えられたり、朝食を食べさせなかったり、子どもの発達の遅れを放置し続けたりといったことです。ただどの家庭にも日々の事情の変化やたまたまといった事はありうることで、そういった状態が長く続かない限り園として即座にそれを虐待として関係機関に通報するということはしません。しかしそういった行為そのものは虐待と認識されるもので、理由がどうであれそういった行為をしないようにすることが大切です。
 この育児放棄というものは、裏返せば親の子どもに対する責任放棄ともいえるものなのです。子どもには生まれた時点で適切な大人の保護(育児)を受ける権利が発生し、その権利を保障するのがその子を産んだ親とされています。このことは子どもを産んだ以上は、親としての責任を果たさなくてはならないという義務があるということで、知らなかったとか、したくなかったという事は認められないということなのです。よって子どもがどのように育っていき、その育ちにどのような育児をしなくてはいけないかを、親はしっかりと知っていなくてはならないということです。
 我々は専門家として、育児の方法や情報をどんどん提供していきたいと思っておりますので、是非気楽にどうすれば良いか聞いて欲しいと願っております。知らなかったが理由で子どもの育ちを傷つけてはいけません。

 


 

 

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このコラムは、我が園の「園だより」に園長が書き続けている子育て講座の一部です。。

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