「 育つためのの土台 7 「絵本と言語」 」

     

さて今月は言語発達についてお話しましょう。

 言葉の発達というものはいつも私が言い続けていることですが、耳から入った言葉を蓄積して、その蓄積した言葉を使って会話をしています。よってこの蓄積された言葉の量で言語力が決まります。蓄積の多い子は言葉が達者で会話もスムーズです。しかし蓄積が少ないと言語力が乏しくなり、人との会話が成立しなくなったりします。
 この言葉の蓄積を増やす最大の方法が、親との会話と絵本の読み聞かせです。この2つは多少の共通性はありますが、基本的に全く違うものを育てています。親との会話では、子どもの年齢が低ければ基本的な語句、すこし年齢が上がれば2語文やある程度の会話が蓄積されます。言語発達の流れで喃語から単語、その後1語文へ、そして2語文、会話へと発達していくのですが、親からの言葉掛けが少なかった場合この発達に遅れが生じます。年齢的に言葉の発達が遅れている子のほとんどが、この言葉かけ不足によります(耳や知的な障害がある子を除く)。ただこの言葉掛けですが、日常生活で特に共働きであれば家事をする時間が集中してしまい、その間に子どもへの言葉掛けはつい指示・命令になりがちで、ゆっくり子どもと話をする時間を作るのはほんの少しになってしまうのが現状のようです。そこでこういった状況の中でも言語発達を促す手段があります。それが絵本なのです。

 絵本の効果はいろいろありますが、特に大きな効果が3つあります。
 それは「会話力」と「想像力」そして「説明力」です。絵本の中身を見て頂ければわかると思いますが、登場する人や動物、物が必ず会話をします。うれしい時、悲しい時、困った時等にそれに合わせた会話が出てきます。そしてさらに、その場面の状況が説明文として出てきます。この説明文を聞くことが会話での説明力につながります。さらに絵本の絵は動きませんが子どもはその絵本の絵を見、内容や会話を聞くことで頭の中で動く映像にしているのです。このことで子どもの想像力というものも育つのです。絵本の読み聞かせを多くしてもらった子ほど会話の語句が豊富で、作文的なものを言わせたり書かせたりすると、しっかりした想像力を発揮します。またこの読み聞かせを多くしてもらった子は、字が読めるようになると自分から本を読むようになります。とにかく絵本が子どもに与える効果は計り知れないものがあるのです。よって保育園に子どもを通わせている保護者の皆さんに子どもとの時間を長く取ることはなかなか難しいとは理解しています。そこで1つお願いがあります。日一冊でいいですから我が子の言語力の為に絵本の読み聞かせをして上げて下さい。

 今若い子が就職後に会話や説明が出来ず、せっかく就職した職場を短期間で辞めていく若者が増え続けています。我が子がそうならないためにも一日一冊の絵本の読み聞かせを日課にしましょう。そしてこれこそが我が子が大きくなっての大きな財産や力になるのです。

 子育てとは我が子が今生きるための援助と、将来のための援助の二つの柱があります。明日の育ちのための子育てだけでなく、10年・20年後のための子育てもとっても大切な子育てなのですよ。

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このコラムは、我が園の「園だより」に園長が書き続けている子育て講座の一部です。。

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